いまさら聞けない「CMS」、でも聞いてもいいんですよ

CMSの話題
レベル: ★★☆☆☆

こんにちは、K’z Style代表・宮崎です。

そもそもCMSって何?

CMSは Contents Management System (コンテンツ・マネジメント・システム:コンテンツ管理システム)の頭文字をとった略称のことで、ホームページの文章、写真、記事など(これらを「コンテンツ」といいます)を管理する仕組みのことです。

ホームページをつくるための難しい技術や知識がなくてもホームページを作ることができるようにした機能を持ったものと思っていただくと良いかと思います。
とはいっても、ある程度の技術や知識は必要なんですけどね。

乱暴に言うと、Microsoft Wordなどのワープロソフト自体がCMS、ワープロソフトで作成した文書がホームページにあたる、といったところでしょうか。

通常のホームページ制作の流れ

CMSを使わない場合のホームページ制作は

  1. ホームページを構成する画像、写真、文章などの素材を準備
  2. ページの内容をHTMLやCSSと呼ばれる言語で作成
  3. 画像、写真などのデータと2.で作成したHTML,CSSをFTPでサーバにアップロード

という流れで行います。
はい、ここまででも難しい言葉がいっぱい出てきましたね。
通常のホームページ制作はこれらの知識がないとできません。1ページだけの簡単なホームページでも最低限これらの知識がないと公開できないので、学習するための時間、労力(学習コスト)が結構かかってしまいます。

CMSを使ったホームページ制作は

一方、CMSを使った場合は

  1. ホームページを構成する画像、写真、文章などの素材を準備
  2. ブラウザからCMSの管理画面を開いてデザイン設定、文章の入力、画像の貼り付けを行う

おおまかな手順は以上で終わりです。
CMSはインターネット上の「サーバ」にありますので、CMSを操作するのは「ブラウザ」(ホームページを閲覧するChromeやEdgeなどのいつものブラウザ)だけでOK。
多くのCMSではいくつかのデザインの雛形が用意されていますので、それらのデザインで良ければあとはホームページのタイトルや文章を打ち込んで写真を貼り付ければ、インターネットに公開されたホームページをつくることができます。

でも、

自分だけのデザインの独自のホームページを作ろうとする場合は、やっぱりHTMLやCSSといった知識が必要になってくるのはCMSの場合も変わりません
ホームページで色々なことを行おうとした場合(写真をスライドのように動かす、ネットショップをつくる、など)にはCMS自体の設定知識が必要になってきます。

何がイイの?

CMSを使うことの一番のメリットは

ホームページの更新が容易

なことでしょう。
上で紹介したようにCMSを使わない場合HTML,CSSを作成してFTPでアップロードするという手順が必要です。これはホームページを更新する場合も同様ですので、ちょっとした文章の変更でもこの手順を踏まないといけません。

この面倒な手順のためにどうしてもホームページの更新が滞ってしまう、ということが起こりがちです。せっかくのホームページも更新しないと見てもらえなくなっていきますのでこれはマズい事態です。

CMSを使っている場合、ブラウザでCMS管理画面を開いて目的の文章を修正して保存するだけで完了してしまいます。対応しているCMSであればスマホからも更新できます。
この手軽さがCMSの一番のメリットですね。思いついたときにブラウザからパパっと更新できるからホームページの更新頻度も上がり、参照頻度の向上〜検索順位の向上も期待できます。

 

もうひとつメリットをあげるとすれば

コンテンツの管理が楽

ということもあります。
通常の方法(HTML,CSSをFTPでアップロードする方法)でホームページを維持管理されているかたであれば痛感することですが、通常の方法の場合、

HTML,CSS,画像などのファイル類を二重に管理しなければいけない

という煩わしさがあります。
ホームページを構成するもの(HTML,CSS,画像など)を手元とサーバ側の両方に持っておかなければならない状態ですので、どちらも常に同じものにしておく必要があります。

CMSを使う場合、文章や画像は常にサーバ側にありますので、手元に同じものを保持しておく必要は(特に)ありません。

とはいっても、障害や誤操作のことを考えてCMSでもバックアップをとっておくことをオススメしますが。

CMSってワードプレスのこと?

ワードプレス(WordPress)もCMSの1つです。

世界中で一番利用されているCMSとしてWordPressが有名ですが、巷にはそれ以外にも多数のCMSが存在します。
次のサイトでは世界で利用されているCMSの統計情報が公開されています。ここでもWordPressのシェアが高いことがわかります。

Usage Statistics and Market Share of Content Management Systems

この統計も次の理由でボクとしてはやや疑問なのですが…
1. 多くのCMSは自身の正体を隠すようにページ構成している
(WordPressはページのソースを見るとすぐにそれと推測できる)
2. CMS利用者側はセキュリティの観点からどのCMSを使っているか答えないことが多い

いくらかかるの?

「じゃあCMSを使ってみよう!」と思われても気になるのは「お値段」。
「でも、お高いんでしょう?」と考えてしまいますが、実は

ほとんどのCMSは無料です

はい、本当です。
CMS自体、ほとんどのものが「オープンソース・ソフトウェア」という位置づけになっていますので利用する場合には料金は発生しません。
ご自身でCMSを入手してきてセッティングして利用するのであればどなたでも無料でCMSを使ったホームページを作成することができます。

が、

ホームページをインターネットに公開するにはそれだけではすみません。
ホームページを公開するための「サーバ」が必要なことは通常のHTML,CSSを使ったホームページと変わりません。ご自身でサーバを用意してインターネットに公開するのでなければ、どこかからサーバをレンタルする必要があります。これには料金が発生します。

また「www.xxx.com」などの自分だけのドメインを使う場合も利用料金が発生します

さらに

ご自身で全て(サーバへCMSをインストール〜設定〜デザインまで)行うのであればここからは無料でできますが、「やっぱり自分では無理」となるとプロに頼まざるをえません。そうなるとそれなりに料金が発生します(料金はお願いする内容と依頼先によりピンキリ)。

ですので、CMSを導入することで価格面のメリットはあまり無いと思ったほうが良いです。

デメリットは?

ではCMSを導入することによるデメリット(というか注意点)は何でしょう?

デザイン面の制限

CMSは言わば「既成品」。ある程度のデザインの雛形は用意されていますのでその範囲内でデザインするのであれば問題ないのですが、それを逸脱した独自のデザインでホームページを作ろうとした場合、CMS本体の改造(カスタマイズ)が必要になってきます。CMSによってはカスタマイズしても実現不可能なものもありますので、CMSの選定には注意が必要です。

セキュリティ上の脅威

CMSの本体は「プログラム」です。昨今のサイバー攻撃などのインターネット上のセキュリティの脅威にさらされるとCMSのプログラムに存在するかもしれない弱点(「脆弱性」といいます)を攻撃されてホームページが壊されたり、最悪の場合には攻撃者の片棒を担がされる(「踏み台」)となったりする恐れがあります。
これを防止するためにCMSの開発元から提供される「パッチ」と呼ばれる更新プログラムを常に適用することが必要となります(パソコンにセキュリティ更新プログラムを適用するのと同じですね)。
ただし、CMSの開発元から提供されるパッチを無条件に適用すれば良いかというとそうでもなく、パッチを適用することによってホームページのレイアウトが崩れたり、動かなくなる恐れもあります。パッチの適用は自己責任で。または専門家に任せるのが得策です。

学習コストの問題

CMSを利用してホームページを作るには、CMSの管理画面を使ってページを設定していく必要があります。つまり、どこをどう設定していくかといったCMSの使い方を知っておかないといけません。
ご自身でデザインの修正を行おうとする場合は、ある程度のHTMLやCSSの知識も必要になってきます

 

というわけで、ご自身で全て行おうとするとそれなりに知識や技術が必要となってきます。といってなにもしないと見栄えの悪いデザイン、使い勝手の悪いホームページ、セキュリティ上のリスク、となってしまいます。専門家に任せるのが得策ですが、それなりのコストが発生します。

オススメのCMSは?

巷にはWordPressだけでなく、本当に多数のCMSが存在します。CMSによってそれぞれ特色があり、用途によって向き不向きがあります

ですので「メジャーなCMSだから」といってなんでもWordPressで作ってしまう、というのはオススメしません。用途によって使い分けるのが良いでしょう。

ボクのオススメは次のものです。

ブログ用途・利用者が簡単に更新できる

WordPress(ワードプレス)

WordPressはもともとブログ用として開発されたCMSですので、ブログ機能の充実さは一番でしょう。
WordPress自体でできる機能はシンプルですが、豊富な拡張機能(プラグイン)を追加することでまるでスマホのアプリのように機能を追加していくことができるのが最大の売り。
WordPressに関する書籍やネットの情報も豊富にありますので利用者が学習しやすい利点があります。
難点はコンテンツ(特に固定ページ)の管理がしにくいこと、メジャー故にセキュリティの脅威にさらされやすいこと、動作が重いこと。

企業のホームページ

baserCMS(ベーサーシーエムエス)

baserCMSは福岡県で開発されている国産CMS。コーポレートサイトに強みを持つ特色があります。
管理ページがきれいで使いやすく、コンテンツの管理が非常に簡単で楽。WordPressでいうところの「固定ページ」で構成されたサイトには最適。
国産なので日本語資料も多く、また開発元も国内なので何かと安心。
難点は利用者がまだ少ないのでノウハウ情報量的にWordPressに負ける、凝ったデザインにしようとした場合、PHPの知識が必要なこと、やや重い(CakePHPのせい?)こと、くらいでしょう。

MODX(モドエックス)

2種類のMODX(Evolution, Revolution)が存在しますが、オススメはEvolution
Webデザイナーでも直感で操作できるデザインの柔軟性、サイトのレスポンスの速さを重視するなら最適。歴史の長いCMSで、Evolutionなら日本語ドキュメントも案外豊富。イチオシのCMSです。
難点はやっぱり利用者が少ないこと、開発メンバーが貧弱(失礼)なのでいつ開発がストップしてしまうか保証がないこと(頑張ってください!)ですね。

ネットショップ

EC-CUBE(イーシーキューブ)

ネットショップサイトを構築するのであれば国内ではほぼデファクトスタンダードの感があるEC-CUBE。長い歴史のある国産CMSなので日本語資料、開発コミュニティも充実。ネットショップサイトを作るのならWordPress+プラグインなどとは考えずにコレにすることをオススメします。
難点はデザインの柔軟性がやや劣ること(ネットショップ用ですからね)、EC-CUBE4の情報,ノウハウがまだ少ない(2020年4月時点)こと、くらい。

安く、簡単に

WIX(ウィックス), Jimdo(ジンドゥ)

ともにウェブ上で完結するホームページ作成サービス。上記までのCMSとは違いサーバやインストール不要。WIXやJimdoのサービスに申し込むだけ
全て無料プランもあるが、独自ドメインを使いたいなどの要求に応じて有料プランとなります。
どちらも豊富なデザインの雛形を持つので初心者でもきれいなホームページを作成することが可能だけれど、まったくの独自デザインで構成するのであれば専門知識が必要。
難点は、、、重い、カスタマイズしにくい(当然か)。

 

その他にも、Joomla, Drupal, concrete5, Soy CMS, Movable Type, a-blog cms など世の中には個性的なCMSが多数あります。いつかの機会にそれぞれをご紹介していこうと思っています。ご興味のある方はぜひ使ってみてください。

最後までおつきあいいただき、ありがとうございます。

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