おはようございます、K’z Style代表・宮崎です。
昨今のコロナ禍で企業/自営業を問わずリモートワークを行う所が増えてきました。そこでよく話題となるのがリモートワークに必要な機材(ハードウェア)とツール(ソフトウェア)です。
現在はボク自身もリモートで仕事をする機会がほとんどで、仕事柄プロジェクトのマネジメントをすることも数多くあります。
今回はリモートワークで仕事(プロジェクト)を進める上で、あると便利なツールを、それらを使ってきた経験をもとに、仕事を統括管理するマネジャーの目線で選定したものをご紹介します。
なぜツールが必要なのか?
まずはじめに、リモートで仕事を進める上でなぜツールが必要なのかを改めて考えてみましょう。その理由としては次のものが挙げられます。
・メンバー全員で情報を共有するため
プロジェクトを進めるためには正確な情報共有は必須。対面で仕事を進めることができないリモートの場合は明示的な情報共有は尚更重要となってきます。
・リモートワークでのコミュニケーション不足による情報伝達もれを防止するため
リモートワークの一番の不安点が「コミュニケーション不足」による行き違い、伝達もれ、といったことでしょう。このコミュニケーション不足を解決するための手助けとなるのがツールの導入です。
・プロジェクトマネジメントを円滑に進めるため
マネジャーはプロジェクトの進捗状況・問題点を的確に把握することが必須。でも全て手作業で行うのは大変。マネジメントを円滑に進めるためにツールを導入して省力化と正確性を目指したいところです。
もちろん、「選定したツールをメンバー全員が必ず利用する」ということを徹底することが大事です。
どんなツールが必要か?
リモートワークで仕事をすすめるにあたって、次のようなジャンルでツールを用意していきたいところです。
・コミュニケーションツール
リモートワークの形態で一番課題となるのがコミュニケーションの問題。コミュニケーションを円滑に進められるようにしておかないと「リモートワークは効率が悪い」などの意見が出てきます。コミュニケーション不足を解消するためにも積極的にツールを導入しましょう。
コミュニケーションツールの落とし穴
かといって、コミュニケーションツールの1つであるビデオ会議システムのつけっぱなしを在宅でリモートワーク中のメンバーに強要するのも却って作業効率を下げてしまうでしょう。だれでも常時監視されている環境では息がつまって仕事ができません(人間ですから)。マネジャーとしてはメンバーがちゃんと仕事をしているかどうか気になるところでしょうが、ここはメンバーを信頼しましょう。
また、年配のマネジャーによくあることですが、「ツールを使うのが面倒だから」などと頻繁にメンバーに電話をするのもNG。マネジャーならば指示命令は極力文書に残すようにするためにチャットを使いましょう。電話は、文字で表現しずらい内容を伝える場合や、文字を入力している時間もないくらい本当に緊急の要件のみにしましょう。その場合もあとで内容を文字にして残すことを心がけるようにしたいです。
ただし、ツールを入れるだけでコミュニケーション不足が解消するわけではないことを心しておきましょう。マネジャーも含めメンバー全員がツールを的確に使いこなすことが必要です。慣れないうちはツールを使うことが億劫で、ついつい「ま、いいか」でコミュニケーションを取ろうとすることをやめてしまうこともあります。ここはマネジャーが率先してツールを使うことで、ツールへの抵抗感を払拭するようにしたいところです。
・タスク管理ツール
プロジェクトに今どんなタスク(仕事の最小単位。「課題」と言っても良いかも)があり、そのタスクがどんな状態(進捗率、問題点など)なのかを整理する上でタスク管理ツールは心強い味方となります。
マネジャー自身がタスクを管理するだけでなく、「今、どのようなタスクが誰に割り当てられているか」をメンバー全員に周知することも大切。それを可能にするタスク管理ツールはプロジェクトの大きな助けになります。
・スケジュール管理ツール
プロジェクトを進める上でスケジュール管理はとても重要なもの。プロジェクト開始時に立てたスケジュールが予定通り進んでいるのか、遅れているのであればどの部分か、などを把握し、手を打つ、定例の会議で報告するスケジュール状況をまとめる、といったことはプロジェクトを担うマネジャーの大切な仕事の一つです。
スケジュール管理は案外大変な仕事。気がついたらスケジュール管理だけで1日が終わってしまったという経験をしたマネジャーも多いのではないでしょうか?
そんな大変な仕事であるスケジュール管理は、できれば専用のツールを使っていきたいものです。
また、現在のスケジュールの状況をメンバー全員に周知し共有することも重要です。スケジュールを毎回印刷やPDFにしてメンバーに配布するのは非効率。ツールを使ってリアルタイムでメンバーが参照できる環境にしましょう。
・情報共有ツール
プロジェクト内での取り決め、共有したい資料、成果物などをプロジェクトのメンバー全員が参照でき、また権限のある人がタイムリーに更新できる仕組みはプロジェクトを進める上でなくてはならないもの。そのため情報共有に使えるツールも昔から数多くのものが存在しています。
情報共有ツールの利用にあたり大切なことは次の3つ
- とにかく共有
- 最新は常に1つ
- 参照/更新できる権限管理は適切に
ですがこの3つは、いくら専用のツールを導入したからといって自動的に守れるものではありません。使う人の心がけが重要になってきます。
1と3は相反する関係になることも考えられますが、まずは「情報を共有すること」が大切。情報共有の習慣がプロジェクト内に浸透してきた段階で3をしっかり管理することを見極めるのがマネジャーの役割でもあります。
また、2を経験されている方の多いのではないでしょうか?共有ファイルサーバに同じような名前のファイルが多数あって、どれが最新かわからない状態になっているとミスを誘発することになりかねません。これはツールを導入したとしても改善されるとは限りませんので、適切なルール作りと共に共有情報の管理者(ルールに準拠していることを確認する人)を置き、常に整理された状態をキープすることが重要です。
ツールを選ぶ上での条件
どんな種類のツールが必要なのかがわかったら次は選定の方法です。実際に探しはじめるとわかりますが世の中には数多くの製品があります。その中から自分のチームに最適なものを探すのはなかなか大変なことです。
ここではチームに最適なツールを選ぶために考慮したい基準をご紹介します。
- メンバー全員が参加でできること
前提は「メンバー全員で使うこと」。ツールの制限上で利用できないメンバーが生じるものは候補から外しましょう。 - できるだけコストがかからないこと
ツールによっては有料のものもあります。以前使ったことがあり、その金額に見合う効果がでることが保証できるのであればツールに費用をかけることは問題ないでしょうが、そうでなければ初めは極力コストをかけずに小さくはじめましょう。 - 操作が簡単:学習コストがかからないこと
いくら便利・高機能なツールでも操作や管理の手間がかかるものは避けたほうが良いでしょう。習得するのに時間をとられるようなツールは次第に使われなくなってしまいます。 - どこでも使えること
外出・出張先やリモートワークでも使用できるようにPCだけでなくスマホ/タブレットでも動作するツールを選ぶことをおすすめします。最近のツールはほとんどスマホ/タブレットですのでこの点は安心ですが。
まずはチーム活動用のメールアカウントを準備
以降ご紹介するツールを使う上で必要となるのが「アカウント」です。アカウントとは、そのツールを使って良いか/どう使えるかを示す「権利」のようなもの。ほぼ全てのツールにはアカウントが必要となってきます。
ここで問題となってくるのがアカウントの管理です。1つアカウントを作れば全てのツールで共通で使えれば良いのですが、各ツールはそれぞれ別の会社が作っているのでそういうわけにもいかないようです。
「会社のActive Directoryアカウントでシングルサインオンで」といったことも考えてしまうところですが、最初は小さく簡単に始めることを念頭に。
大抵の場合アカウントはメールアドレスをもとに作成されますので、ツール利用のために各メンバーで「1つ」メールアドレスを用意しましょう。
会社のメールアドレスがあればそれを使う方法で可。
協力会社さんやフリーランスさんなど会社のメールアドレスが使えないメンバーもいらっしゃる場合は、全員がチーム専用のGoogleアカウント(Gmailアカウント)を別途取得するのも良いかも。
おすすめツール
では、各ジャンルでのおすすめツールをご紹介していきます。
以下にご紹介するものは全て無料から始めることができ、PC(Windows, Mac)でもスマホ/タブレットでも使えます。
コミュニケーションツール
Zoom(ズーム):オンライン会議
コロナ禍でのリモートワークが普及するに伴って一躍有名になったオンライン会議用ツールです。
一時期セキュリティ面の不備が指摘されていましたが、現在は改善されていますので安心して使用して良いかと思います。
無料枠が用意されていますので、少人数のプロジェクトの場合は無料枠で始め、使い勝手や費用対効果を考慮して有料コースへシフトしていくのが良いでしょう。
Slack(スラック):チャット
Zoomを立ち上げてビデオミーティングをする程でもないようなメンバー間の連絡に便利なのがチャットツールです。LINEのようなもの、と思っていただければイメージが湧くでしょう。
とは言っても個人使いのLINEをそのまま仕事でも使用するのは、セキュリティ面・プライバシー面・公私を分ける、といった各面から考えもの。仕事で使うツールは実績もありセキュリティ面もしっかりとしたものを使いたいところです。
Slackはビジネス用途でのチャットツールとして実績もあり利用者も多いので安心。また、他ツールとの連携機能を豊富にもつこともSlackをおすすめする理由です。
タスク管理ツール
Trello(トレロ)
トヨタ自動車が使っている「カンバン方式」を取り入れたようなタスク管理ツールがTrelloです。1つ1つのタスクを「カード」にまとめ、そのカードをドラッグ&ドロップで動かしながら視覚的にタスク管理ができるツールです。この分野では一番使い勝手の良いツールではないでしょうか?
使い方は工夫次第。PDCAサイクル管理としても良し、ToDoとして使うのも良し、とにかく一度使ってみましょう。
スケジュール管理ツール
Google スプレッドシート
世の中にはMicrosoft Projectをはじめ多種多様なスケジュール管理ツールがありますが、ほとんどが機能満載の本格的なもの。そのため操作習得にはある程度時間がかかってしまう上に価格も無料ではありません。ですので、スケジュール管理はExcelなどの表計算ソフトで、というマネジャーも多いのではないでしょうか?
であれば表計算ソフトの気軽さ・操作性のまま共有できれば?と考えるのは自然な流れ。それを実現してくれるのが「Google スプレッドシート」です。
Googleスプレッドシートはブラウザで使える表計算ツール。Excelを使ったことがある方でしたらそれ程とまどうことなく使えるのではないでしょうか?(図形のコピー操作にはクセがありますが…)
Googleスプレッドシートで作成したスケジュールをメンバーに共有することももちろん可能。閲覧のみで編集不可に設定することもできます。
小規模なプロジェクトであればGoogleスプレッドシートとTrelloで充分スケジュール進捗管理ができるのではないでしょうか。最初は小さく始めて、プロジェクトのタスクが膨大になり、同時並行して相互関連するタスクが増えてきて表計算ソフトで管理できなくなってきた時に専用のスケジュール管理ツール導入を検討してみてはいかがでしょうか?
Google スプレッドシート – オンラインでスプレッドシートを作成、編集できる無料サービス
情報共有ツール
Confluence(コンフルエンス)
ConfluenceはTrelloを提供しているAtlassian(アトラシアン)が提供している情報共有・一元化ツールです。構成方式としてクラウド・Data Center・サーバー(オンプレミス)の3つがありますが、小規模のチームにおすすめなのはクラウドの無料枠です。
Confluenceを使うとメンバー全員に共有したいマニュアルや取り決めなどの文書、成果物など様々な情報を一元管理することができます。
ファイルの共有であればNASなどの共有ストレージで良いのでは?とお考えの方もいらっしゃるでしょうが、Confluenceの優位性はその検索と閲覧のしやすさです。情報はツリー構造で管理されていますし、検索機能を使うことにより迅速に目的の情報にたどり着くことができ、ブラウザで素早く閲覧することができます。
大人数で本格的に情報共有を進める必要がでてきたら専用のグループウェアを導入するとして、少人数のチームでの情報共有であればまずはConfluenceで始めてみるのが良いでしょう。
Confluence | リモートに最適なチームのワークスペース
以上、リモートワークを行うことを想定したプロジェクト管理ツールをご紹介してきましたが、ここで紹介しきれないツールもまだまだ存在し日々進化しています。
便利で使いやすいツールを見つけて検討し、チームに導入して利用を推進するのもマネジャーの仕事の一つでしょう。
有益なツールを導入して快適なリモートワーク環境を目指しましょう!
K’z Styleはリモート/オフラインでのプロジェクトマネジメントも承っています。チームのマネジメントを担う人材をお探しの方は一度ご相談ください。
最後までおつきあいいただき、ありがとうございます。
コメント