「ホームページって必要?」の疑問を考えてみましょう

コラム
レベル: ★☆☆☆☆

こんばんは、K’z Style代表・宮崎です。

ホームページ制作に携わっていることから、よく「ホームページって持ってたほうがいいの?」であるとか「Facebookページが(インスタグラムが)あるからホームページは必要ないよね」などのご質問、ご意見をお伺いすることがあります。

でも、本当にそうでしょうか?

では、なぜ企業はいまだにホームページを持ち続けているのでしょう?
惰性?既存のものをやめることへの恐怖感?
それともやっぱり必要である明確な理由があるのでしょうか?

というわけで、今回は「ホームページって本当に必要?」という疑問について考えていきたいと思います。

本来の言葉の使い方では、今回の話に登場するものは「ホームページ」ではなく「ウェブサイト」という方が適切でしょう。
でも今回の話題を読んでいただける対象の方々には「ウェブサイト」という言葉にはなじみが薄く、「ホームページ」と呼んだほうがイメージがつかみやすいという判断から、便宜上「ホームページ」という言葉で統一して話を進めていきます。ご了承ください。
この例のような言葉の用いかたの話は、また機会があれば書いてみたいと思います(ボクも被害者の一人ですので(T_T))。

ホームページの利点ってなんでしょう?

ここで他の媒体に比べてホームページが優れている点を考えてみましょう。

紙媒体と比較すると

例えばチラシ,雑誌・新聞広告などの紙媒体と比べた時の利点としては

  1. いくらでも多くの情報を載せることができる
  2. 一度掲載した内容をいつでも更新することができる(即時性)
  3. 購読者の「読み方」「読む順番」をホームページ所有者が(ある程度)コントロールすることができる

などがあると思います。

チラシ,雑誌・新聞広告などの紙媒体の場合にはその性格上、物理的制限(=紙面の大きさ)・金銭的な制限(=面積による広告料金)があります。
ですがホームページの場合は、1.にあげたようにいくらでも情報を載せることができますね(もちろん、ディスク容量やレンタルサーバの契約上の制限などはありますが、理論的には無限に掲載可能です)。

従来の紙媒体の広告と一番違う利点は2.ではないでしょうか?
紙媒体の広告だと一度掲載したらそれっきり、内容を変更しようとした場合は次回の掲載を待たないといけません。時間もお金もかかりますね。
また、広告を継続して掲載し続けようとした場合は広告契約の更新をすることになり、出費がかさんでしまうのは避けられません。
でも、ホームページの場合はいつでも」「最新の内容を」「掲載し続ける」ことができます。
ここが、紙媒体の広告は「経費」だけれどもホームページは「資産」の価値があると言われる所以です。

3.については、意識してホームページを制作している人が案外少ないことなのですが、ページの構成方法や他のページへ移動するためのリンク(ハイパーリンク)の付け方によって、ホームページを読む人に「こういう順番で読んでほしい」というストーリー構成を組むことが可能です
新聞や雑誌などの紙媒体の場合、それを読む人に「どのページから読んでもらいたい」ということを期待するのは難しいですよね。どのページから読み始めてどこで終わろうが読み手の自由ですので(小説などは別ですが)。
このページのストーリー構成方法次第で、ホームページの内容を効果的に見せ、閲覧者に目的の行動(商品を購入する、お問い合わせをさせる、電話をかけさせる、など)を取ってもらうように誘導することができるようになります。

 

SNSと比べてみると

次に、Facebook, インスタグラム, ツイッター, LINE@などのSNSと比較した場合はどうでしょう?

  1. 情報を体系的に整理して表現することができる
  2. Google, Yahooなどの検索エンジンで検索結果が表示される(されやすい)

などがホームページの利点として挙げることができます。

1.はホームページとSNSとを差別化している最たる点でしょう。
Facebook, インスタグラム, ツイッター, LINE@などのSNSは「最新の情報を掲載・拡散する」ことを目的にしています。
ですが、過去に発信した情報はタイムラインの下のほうにストックされてしまいます。「もう価値のない情報」であればそれはそれで良いのでしょうが、「過去に発信して」、「内容が変わらず」、「今でも読んで(見て)ほしい」情報の場合は困りものです。なんせその情報はタイムラインの海に沈んでしまっていますので、新しいフォロワーさんだけでなく旧来からのファンでも、その情報を探すことは難しくなります。

反してホームページの場合は、そういった「情報がどこかに潜ってわからなくなる」ことは起きにくいでしょう。
読んでほしい情報については、目に付きやすく探しやすく整理されたメニュー形態やリンクで表現することができます。
Facebookページはその点をある程度考慮されていますが、ページの形式(レイアウトなど)が決まっているため、効果的な表現方法で情報を見せることについてはやはり限界があります。

2.については最近のGoogle検索エンジンの仕様が変わってきているので今後どう変化するかわかりませんが、まだSNSよりホームページのほうが検索上位に掲載されるようです。LINE@は(本記事執筆時の2019年3月時点では)検索結果には引っかからないようです。

こういった利点を駆使して集客につながる仕組みを持つことが、お店や企業がホームページを持つ目的でしょう。

ホームページの欠点ってなんだろう?

では逆に、ホームページが他の媒体に比べて劣っている点はなんでしょう?

vs. 紙媒体

ホームページと、チラシ,雑誌・新聞広告などの紙媒体と比べると

  1. パソコンやスマートフォンを持っていない人は参照できない
  2. ブックマーク保存などの手段を講じないと情報の行方がわからなくなりやすい(情報保管の問題)
  3. 「やっぱり紙じゃないと内容が頭に入ってこない」という人もまだまだ多い

などがホームページの弱い点としてあげられますね。

1.の点をホームページの致命的な欠点と判断される方も多いのは事実です。
「うちのお客さんは高齢者なのでパソコンもスマホも持ってないからホームページは必要ないよ」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
ですが最近のスマートフォンの普及率を見てください。その方はスマホを持っていなくても身内にスマホを持っている人が一人もいない、という人を探すのは難しいんじゃないでしょうか?
本人がホームページを見たり検索したりしなくても、お子さんお孫さんなどが代わりに雑誌広告に記載されているURLからネットで検索してくれるのです。結果的に紙媒体広告でもホームページの役割はあるのです。

 

vs. SNS

SNSと比較するとどうでしょう?
ホームページのほうが

  1. 文章・写真などのコンテンツを書き込むのが大変/面倒/難しい、と思われがち(実際そうでもないんですが)
  2. 最新の情報を目立つ状態で表現するには工夫が必要(このために「ブログ」の存在がありますね)
  3. 探す(見つける)のが大変/面倒
    (SNSが発信する情報は「人」に紐付いているので「この人が紹介している」という安心感がある)

だという問題点を挙げることができます。

SNSをよく利用する人にとってはSNSの書き込み自体は何の苦もなくできてしまうでしょうが、それは慣れたため。SNSの使い初めはやっぱり迷って「SNS難しい。使うのやめようかな..」と思ったのではないでしょうか?
ホームページも同じで「慣れ」です。最近はずいぶん簡単にホームページの内容を更新できるようになってきました。

ボクが注目しているのは3.です。
今や若い層を中心として、Googleなどの検索エンジンで情報を検索する(いわゆる『ググる』)よりもSNSのタグで目的のものを検索することが主流になりつつあるようです。
昨今の「情報過多」がその背景にあるのかもしれません。
SNSは「誰がその情報を発信したか」が明確なので、自分のお気に入りのフォロワーさんが言っている情報なら「安心」と、情報の重み付けをすることができるからではないでしょうか?

「だからホームページをやめて雑誌広告やSNSにしましょう」とは言いません。
これが各媒体の「棲み分け」となると思います。

結論:必要なのは「棲み分け」

ホームページは直接その存在を知る手段はネットしかありません(紙媒体の広告に記載されているURLやQRコードなどから間接的に知ることはできますが)。

反して紙媒体の広告は圧倒的に不特定多数の目に触れる機会が多いことは事実です。
また昨今のSNSの浸透率により、SNSの情報拡散力は見過ごせないものがあります。

ですので、紙媒体広告やSNSを「ホームページへ誘導する『入り口』」として使うことをおすすめします。

「だったらSNSだけでいいんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、上の比較からSNSは「膨大な情報を体系的に整理して表現する」ことが苦手です。
本来最新の情報をタイムリーに発信することを主目的にしているのがSNSですのでこれは当然のことでしょう。情報を時系列に表現することは優れていても、内容別に、かつ、情報に応じた最適な表現方法で提示することはSNSの主目的ではありません。
本当に伝えたい情報を確実に表現するにはホームページが最適なのです。

具体的には、次のような図式で集客につなげていくことが考えられます。

お客様の「入り口」は紙媒体の広告やSNSが想定されます。そこからホームページへ誘導することで、お店・会社のより詳しい情報を発信します。
こうすることで、新規のお客様を獲得し集客へつなげていきます。

さらに

SNSやメールマガジン(メルマガ)によりホームページが更新されたことを案内します。
ホームページでは便利なサービス(予約、ネットショップなど)を提供することで、お客様のホームページへのリピートを促し、固定ファンの獲得〜リピータさんの集客へとつなげていきます。

 

というわけで、各媒体どれか一つだけということではなく、各媒体の得意分野を最大限に利用した顧客獲得の戦略をねっていくことをおすすめします。

最後までおつきあいいただき、ありがとうございます。

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